AIと法律・セキュリティ | 2025年に企業が必ず抑えるべきポイント

AI活用は法律と安全性がカギ

AIツールが急速に普及する中、便利だからといって何でもAIに入れてしまうことで、思わぬトラブルにつながるケースが増えています。

  • 情報漏えい
  • 著作権トラブル
  • 個人情報の誤った利用
  • セキュリティルールの未整備

こうした問題は小さな会社でも避けられません。
この記事では、AI時代に必須となる法律・セキュリティのポイントを、実務レベルで分かりやすく整理していきます。

AI利用でまず理解すべき3つの法律領域

著作権

AIが生成したコンテンツは誰のもの?

2025年現在、AIが生成した文章・画像・動画には、基本的に著作権は発生しません。
ただし以下のケースでトラブルが起きやすいです。

注意するべきポイント

  • 学習データに著作権作品が含まれている可能性
  • 既存作品に“似すぎた”アウトプット
  • 商標を含んだ画像生成(例:ブランドロゴ入り画像)

安全策としては、商用利用が明記されたAIツールを使うこと、特定作品に似すぎていないか人の目で最終チェックを行う、ロゴやキャラクター生成は避ける。こういった基本的なことは押さえておいたほうがよいです。

個人情報保護法

AIに入れてはいけない情報を知る

AIツールに入力してはいけない情報の代表例は以下です。

  • 顧客名、住所、電話番号
  • 社員の個人情報
  • 会議議事録に含まれる個人データ
  • 契約書の生データ

貼り付ける前にぼかすという習慣が大切です。

たとえば、氏名は「A社担当者」としたり、顧客情報 は「顧客A、顧客B」というようにします。

契約書は長文をそのまま貼らずに必要箇所だけ抽出します。

機密情報・秘密保持

会社の情報をどこまで入れていい?

機密情報の扱いは法律よりも会社のルールが基本です。特に以下の情報は外部AIに入れるべきではありません。

  • 新規事業の企画
  • 未発表プロダクト
  • 営業リスト
  • 社内ネットワーク構成

機密書類はローカル環境のAI(ローカルLLM)で処理するようにします。外部AIに入力する前に、内容を要約するのが安全です。

契約書レビューなどは セキュアモードがあるAIを選ぶようにしましょう。

企業がまず決めるべき「AI利用ルール」5つ

中小企業でも最低限作っておくべき “AI利用ガイドライン” は以下です。

1. 入力禁止データを明確化する

個人情報(氏名・住所)、営業秘密、顧客リスト など。

2. AI生成物の利用範囲

商用利用OKか、社外公開の前にチェックが必要か。

3. ツールの選定基準

データを学習に使わない設定が可能か、企業向けプランがあるか など。

4. ログと履歴の管理

誰が何をAIに入力したか、社内監査に活用できるようにする など。

5. 最終判断は必ず人間が行う

AIは下書きです。最終的な判断・公開は必ず人がチェックしてから行うようにします。

セキュリティ面で絶対に押さえるべきポイント

無料ツールの使いすぎはリスクが大きい

無料AIツールは便利ですが、データ利用やセキュリティポリシーが曖昧なこともあります。
特に業務利用は慎重になる必要があります。

業務用は必ず有料プランか企業向けAIを使うことが推奨されます。

社員の誤操作が最大のリスク

AIツールとのトラブルのほとんどは社員が誤って情報を入力してしまうケースです。

ルールブックをつくる、研修をする、入力前に注意喚起のポップアップを出すツールを使うなどの対策が必須です。

API利用時のセキュリティ

Web制作会社やシステム会社がAI APIを利用する場合、さらに注意が必要です。

APIキーの管理、外部に送信するデータ量の把握、ログの暗号化などはしっかり行いましょう。

特にAPIキーの漏洩は重大事故につながってしまいます。なので、GitHubに上げない・環境変数で管理するというのが鉄則です。

今日からできる安全なAI活用ステップ

STEP 1

入力禁止データ、生成物の扱い、使用ツールなど、社内のAI利用方針を決めます。

STEP 2

社員にAIでやっていいこと / ダメなことを共有しましょう。

STEP 3

ChatGPT Team、Google Gemini Enterprise、Microsoft Copilotなど、セキュアなAIツールを導入します。

STEP 4

継続的に、月1回の監査で見直しを行う。

まとめ

AIは業務を大幅に効率化してくれる強力なツールですが、法律やセキュリティに問題があれば、企業の信頼に大きな影響を与えます。

著作権・個人情報・機密情報・社内ルール・セキュリティ対策

この5つを押さえれば、AIはリスクではなく強力なツールになります。

AIを正しく使う企業は、これから確実に強くなります!
まずは小さなルール整備から始めてみましょう。

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