【第1回】PdMとは? プロジェクトマネージャーとの決定的な違い
はじめに
PdMをやっています、と言うと、多くの場合次のように返されます。
「プロジェクトマネージャーみたいなものですよね」「進捗管理とか、仕様調整する人ですよね」
これは、少し違うと感じる方もいるのではないでしょうか。
この第1回では、PdMとは何者なのかを、特に混同されがちなプロジェクトマネージャー(PjM)との違いから整理します。
PdM = 進行管理役?
日本の組織でよく見るPdM像
- 要件をまとめる
- 関係者の調整をする
- 開発の進捗を追う
- 会議に出続ける
これ自体は大切な仕事ですが、これはPdMの業務の一部か、場合によっては別の役割です。
PdMとPjMの違い
PdM → 正しいものをつくる仕事
PjM → 正しくつくる仕事
プロジェクトマネージャー(PjM)
決まったことを、確実にやり切る役割です。
- 期限を守る
- 予算内で終わらせる
- スコープを管理する
プロダクトマネージャー(PdM)
何に時間とコストを使うか決める役割です。
- そもそも何を作るべきか決める
- なぜそれが必要か説明する
- つくらない選択をする

成功の定義がそもそも違う
ここが一番重要なポイントです。
PjMの成功
納期通り・計画通りにリリースされた
PdMの成功
ユーザーや事業に価値を生んだ
プロジェクトは成功したけれど誰も使っていないという場合、PjM的には成功ですが、PdM的には失敗とも言えます。

なぜ混同されやすいのか?
① 開発 = プロジェクトという文化
日本では長く、「案件ごとに予算と納期が決まる」「終わりが明確な仕事が評価される」という文化がありました。
その結果、プロダクト(育て続けるもの)とプロジェクト(終わるもの)が同一視されることがあります。
② PdMが後から導入される
多くの組織では、仕様や計画がほぼ固まった後に「PdMを置こう」となります。
この状態では、PdMは意思決定者ではなく調整役になりやすいのです。
PdMの本質は、意思決定の連続
本来のPdMの仕事は、限られたリソースをどの価値に使うかを決め続けることです。
そのためにPdMは、ユーザーを理解し、仮説を立て、優先順位を決めて、結果から学ぶ。という判断を、何度も繰り返します。
進行管理は、その判断を実行するための手段の一つに過ぎません。
権限が弱いとPdMは活躍できない?
権限が弱くてもPdM的な思考はできます。
この講座では、権限が弱い前提で、何ができるかという内容も現実的に扱っていきます。
まとめ
✦ PdMは単なる進行管理役ではない
✦ PdMの仕事は正しいものをつくること
✦ プロジェクトとプロダクトは別物
✦ PdMの価値は意思決定にある
【第1回】PdMとは? プロジェクトマネージャーとの決定的な違い
【第2回】PdMの責任範囲と権限の考え方 – 権限がなくてもPdMはできる?
【第3回】 誰のどんな問題を解くのか言語化する – PdMの仕事はつくる前に8割決まる
【第4回】ユーザーインタビューの実践 – 「聞いたのに何も分からなかった」を避けるために
【第5回】数字が苦手なPdMのためのデータ思考 – KPIは管理ではなく仮説検証の道具






