【第4回】ユーザーインタビューの実践 – 「聞いたのに何も分からなかった」を避けるために
- はじめに
- インタビューは答えをもらう場ではない
- よくある失敗① 聞きたいことを聞いてしまう
- よくある失敗② 全員に同じ質問をしてしまう
- よくある失敗③ 意見を集めてしまう
- インタビュー前に必ず決める3つのこと
- インタビュー中の基本姿勢
- インタビュー後にやるべきこと
- 「良いインタビューだった」の判断基準
- まとめ
はじめに
ユーザーインタビューをやったあと、こんな感想を持ったことはないでしょうか。
「いい話は聞けたけど、結論が出ない」「で、何を作ればいいの?」「意見がバラバラで判断できない」
これは、めずらしい失敗ではありません。むしろ、多くのPdMが一度は通る道です。
問題は、インタビューの“やり方”ではなく“目的”が曖昧なことです。
インタビューは答えをもらう場ではない
ユーザーインタビューは、正解を聞く場ではありません。
ユーザーは解決策を知りません。将来の行動を正確に予測してくれるわけでもありません。また、本音と建前が混ざることがあります。
それでもインタビューをやる理由は、行動の背景を理解するためです。
よくある失敗① 聞きたいことを聞いてしまう
最も多い失敗は、自分が聞きたいことを聞いてしまうということです。
「この機能、あったら使いますか?」
「この画面、どう思いますか?」
「◯◯ができたら便利ですよね?」
このような質問は、答えを誘導しています。
代わりに聞くべきこと
質問の軸を、未来 → 過去に変えます。
「最近、それをやったのはいつですか?」
「その時、どうやりましたか?」
「何が一番大変でしたか?」
事実ベースの話に寄せるのがポイントです。
よくある失敗② 全員に同じ質問をしてしまう
スクリプト通りに聞くと、比較はしやすくなります。
ですが、背景も状況も違うユーザーに同じ質問を当てても意味がない場合もあります。
大事なのは深掘り
良いインタビューは、質問数の多さや話題の広さではありません。
一つの行動をどこまで具体化できたか、が質を決めます。
よくある失敗③ 意見を集めてしまう
「◯◯が欲しいと言っていた」
「△△は不要と言っていた」
インタビュー後にこんなメモが並びがちですが、これは意見の収集です。
ここで終わらないようにする必要があります。
PdMが持ち帰るべきもの
持ち帰るべきは、「なぜそう言ったのか」「どんな制約があったのか」「他にどんな選択肢があったのか」です。
意見の裏側にある構造を見るようにします。
インタビュー前に必ず決める3つのこと
インタビューの質は、始まる前に8割決まります。
最低限、次の3つは決めておきます。
① 仮説
- どんな問題があると思っているか
- 何を検証したいのか
② 対象ユーザー
- どんな状況の人か
- なぜその人なのか
③ 聞きたい行動
- どの行動を深掘りしたいか
- いつ・どこ・なぜ・どうやって
インタビュー中の基本姿勢
テクニックより大事なことがあります。
否定しない。評価しない。正解を求めない。そして、沈黙を怖がらないことです。沈黙のあとに、本音が出ることも多いです。
インタビュー後にやるべきこと
インタビューは、終わってからが本番です。
やってはいけないのは、すぐに結論を出したり、一人の意見を一般化することです。
やるべきことは、行動・発言を書き出し、共通点と差分を見ること・仮説を更新することです。
分かった気になる前に整理しましょう。
「良いインタビューだった」の判断基準
■ その人は、なぜその行動を取ったのか?
■ どんな制約の中で判断していたのか?
■ 代替手段は何だったのか?
これらに答えられれば、そのインタビューは成功です。答えられない場合、まだ深掘りしきれていません。
まとめ
✦ インタビューは答えをもらう場ではない
✦ 未来より過去、意見より行動
✦ 仮説を持って聞く
✦ 意見ではなく背景を持ち帰る
✦ 整理しないと価値は出ない
【第1回】PdMとは? プロジェクトマネージャーとの決定的な違い
【第2回】PdMの責任範囲と権限の考え方 – 権限がなくてもPdMはできる?
【第3回】 誰のどんな問題を解くのか言語化する – PdMの仕事はつくる前に8割決まる
【第4回】ユーザーインタビューの実践 – 「聞いたのに何も分からなかった」を避けるために
【第5回】数字が苦手なPdMのためのデータ思考 – KPIは管理ではなく仮説検証の道具







