【第7回】優先順位付けの本質 – なぜそれを今やるのかを説明できるか
- はじめに
- 優先順位とは順番ではない
- よくある失敗① 全部重要になる
- よくある失敗② 効果の大きさだけで決める
- フレームワークは補助輪
- 声の大きさへの向き合い方
- 優先順位は一度決めて終わりではない
- 「今やらない」を言語化する
- PdMの精神的コストを下げる考え方
- まとめ
はじめに
PdMの仕事で、大変な瞬間はいつでしょうか。
全部大事に見えたり、全部やってほしいと言われてやることが多すぎると感じる時かもかもしれません。また、誰かをがっかりさせる決断をしなければいけないときかもしれません。
優先順位は、感覚や空気で決めないことが大切です。
優先順位とは順番ではない
優先順位とは、どれをやらないかを決めることです。重要度のランキングや点数の高低ではありません。
優先順位をつけることは、何を選択し、どこに集中するかの意思表示と言えます。
よくある失敗① 全部重要になる
営業「これがないと売れない」
CS「これで困っている」
開発「技術的に今やるべき」
現場でよく見る状態ですが、全部が最優先になってしまうことがあります。
これは、優先順位が存在しない状態です。
なぜ優先順位は揉めるのか
理由は、目指しているゴールが違うこと、成功の定義が揃っていないこと、判断軸が共有されていないことなどです。
基準がないところに合意は生まれません。
PdMの役割は基準を持ち込むこと
PdMがやるべきことは、皆の意見をまとめることだったり、うまく調整することではありません。まずは基準を決めて共有することです。
判断の軸をチームの外に置かないことが大切です。
優先順位の最上位に来るもの
今、一番リスクが高い仮説は何か?
■ ユーザーは本当に困っているか
■ 解決策は本当に効くか
■ 事業として成立するか
リスクを減らす順番 = 優先順位となります。
よくある失敗② 効果の大きさだけで決める
インパクトが大きそう。これは魅力的ですが、次が抜けやすいです。
「本当に起きるのか?」「いつ分かるのか?」「ダメだったらどうするのか?」
不確実性を無視すると、後で困ることになりやすいです。
フレームワークは補助輪
RICE、ICE、MoSCoWなど、世の中には多くの手法があります。
これらを使ってもいいですが、忘れてはいけないことは、点数が決断をするのではなく、人が責任を持って決断する必要があるということです。
RICEを使うならここを見る
RICE(Reach, Impact, Confidence, Effort)で特に重要なのは、Confidence(確信度)です。
- データはあるか
- 仮説は検証済みか
- 思い込みではないか
Confidenceが低いものは、先に小さく検証します。
声の大きさへの向き合い方
上司、営業、大口顧客などの声の大きさは避けて通れません。
ここで重要なのは、無視しないこととそのまま通さないことです。
PdMからの質問で議論を軸に戻す
「それは、どの問題に効きますか?」
「どれくらいの人に影響しますか?」
「今やらないと何が起きますか?」
優先順位は一度決めて終わりではない
優先順位は、仮説であり状況に依存します。
学びが出たり環境が変わったら、柔軟に変更するべきです。
「今やらない」を言語化する
優先順位で最も重要なのは、説明責任です。
なぜ今やらないのか、いつ再検討するのか、何が起きたら変えるのか。
これを残すことで、信頼が貯まり、後から揉めにくくなります。
PdMの精神的コストを下げる考え方
全員を納得させる必要はありません。納得できる理由を用意すれば大丈夫です。
優先順位は、正解探しではなく責任ある選択です。
まとめ
✦ 優先順位 = やらない決断
✦ 判断軸を先に置く
✦ 最大リスクから潰す
✦ フレームワークは補助
✦ 「今やらない」を説明する
【第1回】PdMとは? プロジェクトマネージャーとの決定的な違い
【第2回】PdMの責任範囲と権限の考え方 – 権限がなくてもPdMはできる?
【第3回】 誰のどんな問題を解くのか言語化する – PdMの仕事はつくる前に8割決まる
【第4回】ユーザーインタビューの実践 – 「聞いたのに何も分からなかった」を避けるために
【第5回】数字が苦手なPdMのためのデータ思考 – KPIは管理ではなく仮説検証の道具
【第6回】解決策はどうやって生まれるのか – 仮説ドリブンな考え方
【第7回】優先順位付けの本質 – なぜそれを今やるのかを説明できるか







