【第2回】PdMの責任範囲と権限の考え方 – 権限がなくてもPdMはできる?
- はじめに
- 権限が強くない場合にPdMが活躍するには
- PdMの責任とは何か
- 権限と責任はイコールではない
- 責任を持ちすぎるのはNG
- PdMの責任範囲を3つに分ける
- 決められないPdMにならないために
- 上司・PjMとの関係
- まとめ
はじめに
組織によっては、PdMがPjMの下に置かれ、意思決定権が弱くなっている場合があります。
権限がないPdMは、どのような価値を提供すればよいのでしょうか?
権限が強くない場合にPdMが活躍するには
権限が強くなくても、PdM的な責任を持つことはできます。
ですが、責任の置き方を間違えないことが重要です。「何に責任を持つのか」「何は責任範囲外なのか」を明確にすることが必要です。
PdMの責任とは何か
PdMの責任は、よく誤解されます。
よくある誤解
- 仕様の細部に責任を持つ
- すべての意思決定を自分で行う
- プロダクトの成功・失敗を一人で背負う
PdMが本来責任を持つもの
本質的には、PdMの責任は「なぜそれをやるのか」を説明し続けることです。
具体的には、どの課題を解くのか・なぜ今それをやるのか・それは成功と言えるのか。この判断の軸を持ち、言語化する責任です。
権限と責任はイコールではない
権限がなければ責任を持てないと思いがちですが、権限が強くない場合でもできることがあります。
権限がなくてもできること
- 問題の定義を言語化する
- 仮説を立てる
- 選択肢を整理する
- 判断材料を揃える
権限がないとできないこと
- 最終決定を下す
- 優先順位を強制する
- リソース配分を変える
決めるのと考えるのは別です。権限が強くないPdMは、まずはしっかり考えた選択肢を提示する人になることが重要です。
責任を持ちすぎるのはNG
ここで、よくある失敗パターンを紹介します。
PdMがなんでも抱え込んでしまう
決定権はないけれど、結果が悪いと自分を責める。仕様・進捗・調整・説明、全部やる。
これでは、責任だけが集まって権限がない状態なので最も消耗します。
健全な線引き
権限が弱い場合、PdMは責任について線を引く必要があります。
■ 決定そのもの → 上位者の責任
■ 判断材料の質 → 自分の責任
■ 結果の学習 → 自分の責任
PdMの責任範囲を3つに分ける
実務では、こう整理すると分かりやすいです。
① 問題の定義
ここに責任を持つだけで、PdMの価値は大きく変わります。
- 誰のどんな課題か
- なぜそれが重要か
- 放置するとどうなるか
② 判断軸の提示
決定者が決めやすい状態をつくります。
- 選択肢A / B / C
- それぞれのメリット・デメリット
- どの価値を優先するか
③ 学習の蓄積
- 何を想定していたか
- 結果はどうだったか
- 次にどう活かすか
決められないPdMにならないために
権限が弱いと判断を先延ばしにしたり、全員の合意を待つことになったり、正解が出るまで動かない、ということになりがちです。
これを防ぐために、PdMが最低限持つべき姿勢があります。
「私はこう考える」という仮説を必ず持つ
たとえ最終決定が自分でなくても、意見を持たないPdMは存在価値を失ってしまいます。
上司・PjMとの関係
価値判断はPdM、実行判断はPjMという補完関係を目指すのが現実的です。
そのためにも、感覚ではなく理由で話す、好みではなく仮説で話す、正解ではなく選択肢で話す、ということが重要になります。
まとめ
✦ 権限がなくてもPdM的責任は持てる
✦ PdMの責任は「判断軸の言語化」
✦ 責任と権限は分けて考える
✦ 問題定義・判断材料・学習に集中する
【第1回】PdMとは? プロジェクトマネージャーとの決定的な違い
【第2回】PdMの責任範囲と権限の考え方 – 権限がなくてもPdMはできる?
【第3回】 誰のどんな問題を解くのか言語化する – PdMの仕事はつくる前に8割決まる
【第4回】ユーザーインタビューの実践 – 「聞いたのに何も分からなかった」を避けるために
【第5回】数字が苦手なPdMのためのデータ思考 – KPIは管理ではなく仮説検証の道具







