【第5回】数字が苦手なPdMのためのデータ思考 – KPIは管理ではなく仮説検証の道具
はじめに
数字の話になると、よくこんな声を聞きます。
「数字は分析担当が見るもの」
「KPIって結局、上から管理されるためのものですよね」
「正直、どの数字を見ればいいか分からない」
もしそう感じているなら、それはあなたの能力の問題ではありません。多くの場合、数字の“使い方”が間違って伝えられているだけです。
PdMにとって数字は答えではない
データは、意思決定の答えを教えてくれるものではありません。
数字だけを見ても、なぜそうなったのか、次に何をすべきなのかは分かりません。PdMにとって数字は、仮説を確かめるための材料です。
よくある失敗① 数字を報告のために見る
現場で非常によくある使われ方です。
- 月次レポート
- KPI進捗報告
- グラフを並べたスライド
ここでの数字は、上層部に対していいかんじに説明するためだったりします。
この状態では、数字は思考を止める存在になる場合があります。
PdMが数字を見る目的
PdMが数字を見る理由は、自分の考えている問題・解決策と、現実との差を確認するためです。
そのため、見るべき数字は今、何を知りたいかによって変わります。
KPIとは何か
KPIは、難しく考える必要はありません。
KPIとは、今うまくいっているかどうかを判断する目印です。大事なのは、数の多さや細かさではなく、意思決定に使えるかどうかです。
North Star Metric(北極星指標)
North Star Metric = プロダクトの価値を最も端的に表す指標
たとえば、マッチング成立数や継続利用ユーザー数、課題完了回数など。売上やPVではないことも多いです。
よくある失敗② 測りやすい数字を選ぶ
- PV
- DAU
- 機能利用率
これらはよくある指標です。これ自体は悪くありませんが、価値と結びついていないと意味は薄いです。
この数字が上がったら、ユーザーの問題は本当に解決しているのか?ということを考える必要があります。
数字は行動に紐づけて見る
PdMが見るべき数字は、行動の結果です。
登録した → 使い始めた。使い始めた → 続けた。続けた → 成果が出た。
数字は、ユーザー行動の翻訳だと考えます。
ファネルは詰まりを見つける道具
ファネル分析は、改善ポイントを見つけるために使います。
認知
↓
利用開始
↓
継続
↓
成果
見るべきなのは、どこが落ちているか?なぜそこなのか?という部分です。
定量と定性はセットで使う
| 定量 | 定性 |
|---|---|
| どこで起きているか | なぜ起きているか |
数字だけを見ると、原因が分からず、インタビューだけだと、重要度が分かりません。
定量・定性、両方揃って初めて判断できます。
数字は異常を教えてくれる
数字は、何かがおかしいことを教えてくれるセンサーです。
上がった、下がった、変わらない。その理由を考えるのが、PdMの仕事です。
数字を見てどう判断したかを残す
PdMとして非常に重要な習慣は、「この数字を見て、こう考えてこう判断した」これを言語化しておくことです。
後から振り返ると、判断の質が上がり、説明が楽になります。
全部の数字を理解する必要はない
全部の数字を理解しなくても大丈夫です。難しい統計は不要です。
この数字はどの仮説を確かめるためのものか?ということを意識できていれば問題ありません。
まとめ
✦ 定量と定性はセット
✦ データは答えではない
✦ 数字は仮説検証の道具
✦ KPIは意思決定の目印
✦ 行動に紐づけて見る
【第1回】PdMとは? プロジェクトマネージャーとの決定的な違い
【第2回】PdMの責任範囲と権限の考え方 – 権限がなくてもPdMはできる?
【第3回】 誰のどんな問題を解くのか言語化する – PdMの仕事はつくる前に8割決まる
【第4回】ユーザーインタビューの実践 – 「聞いたのに何も分からなかった」を避けるために
【第5回】数字が苦手なPdMのためのデータ思考 – KPIは管理ではなく仮説検証の道具







